「難消化性デキストリン」と「イヌリン」の違い
難消化性デキストリンとは?
難消化性デキストリンとは、でんぷんから作られた水溶性食物繊維の一種で、人工的に作られてます。
日本人の食生活が欧米化し、食物繊維不足を補うためにとうもろこしのでんぷんから作られました。
作用としては、
①血糖値の上昇を抑制する
②おなかの調子を整える
③中性脂肪の上昇を抑制する
④内臓脂肪低減
⑤ミネラルの吸収促進
などがあります。
また、難消化性デキストリンは特定保健用食品の関与成分として認められています。
イヌリンとは?
イヌリンとは、菊芋やごぼうに含まれている水溶性食物繊維の一種で、天然の植物から抽出したものがほとんど。
血糖値の上昇を抑える作用に加え、善玉菌を増やしインスリンを活性化させる効果も期待できます。
さらに、糖質の分解を阻止する力もあるため、食事で摂った糖質の吸収を遅らせてくれます。
その他にも、中性脂肪の上昇抑制・塩分吸収の抑制などが期待できるため、イヌリンは数多くの健康食品や加工食品に使用されています。
目的別の使い分け
血糖値を改善したいときはイヌリン
難消化性デキストリンもイヌリンも水溶性食物繊維の仲間であるため、消化・吸収されず、腸内で留まります。
食事で摂った糖質は腸内で分解・吸収されるため、滞留している難消化性デキストリンやイヌリンが吸収を遅らせてくれるのです。
イヌリンの場合はそれに加え、善玉菌を増やす役割があります。
善玉菌はインスリンを活性化させる働きがあるため、インスリンが活性化されることによって、余分な糖質を血液外に運び、血糖値が下がるというわけです。
便秘解消にもイヌリン
難消化性デキストリン、イヌリンどちらも腸内細菌のエサとなり、整腸効果は期待できます。
しかし、善玉菌のエサになる割合は、難消化性デキストリンが50%に対し、イヌリンは100%と効率が良く、善玉菌をしっかり増やしてくれることが報告されています。
割合が高いイヌリンを摂取すると、血糖値にも便秘改善にも期待できます。
トクホとして認められているのは難消化性デキストリン
難消化性デキストリンは、日本国内外でも安全性が認められており、特定保健用食品(トクホ)の関与成分になっています。
アメリカのFDA(食品衣料品局)は、1日の摂取量の上限値を明確に定める必要がないくらい、安全な食品素材であると認めています。
また、難消化性デキストリンの安全性を調べた試験でも、血圧などの生理学的検査値は変化せず、消化器症状にも問題は見られませんでした。
その他の試験でも難消化性デキストリン摂取が原因となる変化は見られず、安全であると報告されています。