通称「天然のインスリン」! 菊芋とは?
菊芋とは
菊芋とは、キク科の植物で北アメリカが原産地です。
「花が菊、根が芋」ににていることから、菊芋という名前になったそう。
見た目はじゃがいもに似ていて、名前にも芋とついていますが、実際はでんぷんは少なく、食物繊維やミネラルなどの栄養素がたくさん詰まっています。
そんな菊芋の栄養価の高さが注目されるようになり、現在では健康に役立つスーパーフードとして人気を集めています。
菊芋の栄養素
イヌリン
糖質の吸収を抑えたりなど、血糖値に対して働きかけてくれるため、天然のインスリンとも呼ばれているほど。
また、水溶性食物繊維の一種であるため、便秘解消や腸内環境の改善にも役立ちます。
その他、様々な働きをしてくれます。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質(ブドウ糖)をエネルギーに変換するために必要なビタミンです。
ビタミンB1が不足すると、十分にエネルギーを産生できなくなり、食欲不振、疲労、だるさなどの症状が現れるだけでなく、脳や神経にまで障害を起こす可能性があります。
ビタミンB2
ビタミンB2は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝、エネルギー産生など、様々な代謝に関わる働きをしてくれるビタミンです。
特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康維持をサポートしてくれます。
ビタミンB2が不足すると、皮膚や粘膜に炎症が起こりやすくなります。
ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化作用があり、コラーゲンを作るのに必要不可欠なビタミンです。
皮膚や粘膜の健康維持に役立つほか、ストレスへの抵抗力を高めたり、活性酸素から体を守る働きがあります。
ビタミンCが不足すると、細菌から体を守る抵抗力が下がって、病気になりやすくなります。
ミネラル類(カリウム・ナトリウム・リン・鉄など)
カリウムは、ナトリウム(塩分)の排出を促し、むくみや血圧上昇を抑えるなど、浸透圧の調整をするために必要な栄養素です。
また、インスリンの分泌を促し、血糖値の低下をサポートします。
カリウムが欠乏すると、脱力感、筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺などの症状が現れやすくなります。
その他にも、リンはカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯を形成し、鉄は体内に酸素を運ぶヘモグロビンの成分となります。
菊芋のおすすめの食べ方
サラダにして食べる
食感はごぼうのようにシャキシャキとしており、そのまま生で食べることができます。
皮をむき、薄くスライスしたり千切りのようにしてドレッシングで和えたら、低カロリーで美味しいサラダになります。
じゃがいもの代わりに使う
みそ汁などの汁物や肉じゃがに、じゃがいもの代わりに菊芋を入れるのもおすすめです。
菊芋を代用することで、普段よりもカロリーや糖質を抑えることができます。
菊芋チップスなどにする
生で食べにくい場合は、薄くスライスして揚げるのもおすすめ。
皮付きのまま揚げると香ばしさが増してさらにおいしくなります。
じゃがいもとはひと味違う味わいを楽しめます。
菊芋の処理方法
菊芋の皮はとても薄く、栄養素も詰まっているので、そのまま食べても問題ありません。
土がついている部分など、気になるところをよく洗っておきましょう。
皮が気になる場合は、ピーラーや金たわしを使うと剥きやすいです。
ただし、菊芋にたくさん含まれているイヌリンは水溶性であるため、水にさらすと溶けだしてしまう可能性があります。
そのため、健康成分をしっかり摂りたい場合は、生や煮汁ごと食べられる調理法にしましょう。
菊芋の保存方法
土の中 <保存期間:2ヶ月以上>
菊芋は土から出してしまうことで、鮮度が落ちてしまいます。
できれば食べる分だけを掘り起こし、残りは土の中で保存しておきましょう。
プランターなどに土を入れてその中に埋めておくでもOK。
冷蔵庫や冷たい場所 <保存期間:1週間程度>
土の中での保存が最適ですが、冷蔵庫でもある程度鮮度を保つことができます。
冷蔵庫で保存する場合は、土がついたまま新聞紙で包み込んで野菜室で保存しましょう。
菊芋は土を洗ってしまうと味が落ち、保存期間が短くなってしまうため、必ず土をつけたまま保存しましょう。
冷凍庫 <保存期間:1ヶ月程度>
長期保存をする場合は、皮をむいてサッと水洗いをしてから冷凍庫で保存するようにしましょう。
解凍後は食感が変わってしまうため、生食には不向き。
ゆでて煮物にすることで美味しく、栄養を損なうことなくいただけます。
乾燥 <保存期間:1年以上>
菊芋は乾燥保存も可能。乾燥させることで長期間保存できます。
皮をむいて薄くスライスしたものを天日干しさせ、菊芋が完全に乾燥したら容器や保存袋に入れて涼しいところで保管しましょう。
乾燥菊芋は、煮だしてお茶にしたり、水でもどして漬物にする方法もあります。