イヌリンとは
菊芋やごぼうなどに含まれている水溶性食物繊維の一種。
テレビや雑誌で一躍有名となり、「天然のインスリン」と呼ばれるほど血糖値によく働く成分です。
さらに、ダイエットや整腸作用など、私たちの体に様々な働きをしてくれる健康成分なのです。
イヌリンの働き
血糖値の上昇を抑制
イヌリンは吸水性に優れ、消化吸収されることなく、摂取すると腸内に留まる性質があります。
腸内で水分を含みゲル化したイヌリンは、食事で摂った糖質を包み込み、そのまま外へ排出してくれるため、食後の血糖値の上昇が抑制されるのです。
また、善玉菌のエサになり、善玉菌を増やす働きも。
善玉菌が増殖することで、血糖値を下げる唯一のホルモン「インスリン」の分泌を促し、血糖値をコントロールしてくれます。
さらに、糖質を分解する消化酵素の働きも阻害し、糖質の吸収を遅らせる働きもあるため、イヌリンは血糖値に特化した成分だと言えます。
ダイエット効果
【血糖値の上昇を抑制】でも前述しているように、イヌリンが食事で摂った糖質を包み込み、余分な糖質を外へ排出してくれます。
余分な糖質は中性脂肪に変わってしまうため、それよりも前に排出することで、ダイエット効果に期待ができます。
また、イヌリンは水分を吸収して膨張することで満腹感を得られやすく、食べ過ぎ防止にもなります。
整腸・デトックス・美肌効果
イヌリンはプレバイオティクスのひとつ。
プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)を増やす成分のことを指します。
腸内にいる善玉菌を増やすことで、腸内細菌のバランスを改善してくれると明らかになっています。
そのため、腸内で有害物質を吸着し、体外へと排出を促すことで、整腸作用やデトックス、美肌効果へとつながります。
さらに、イヌリンだけでなく、不溶性食物繊維や善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)なども合わせて摂取すると、より効果が期待できます。
しかも、イヌリンは腸内をゆっくりと移動するため、腸の蠕動運動を促してくれます。
蠕動運動が活発になると大腸の動きも活発になるため、便秘解消も期待できます。
塩分の吸収を抑制
イヌリンがゲル化することで、塩分も包み込みそのまま外へ排出します。
塩分の摂りすぎは高血圧の原因にもなるため、血圧が気になる方にもおすすめの成分です。
中性脂肪の上昇を抑制
イヌリンは余分なコレステロールなどの脂質も包み込みこんでくれます。
また、吸収を抑制するだけでなく、減らす効果もあります。
さまざまな働きをしてくれるイヌリン。
イヌリンは体内で待ち構え、糖質や脂質、腸内にまでも働きかけるため、イヌリンを摂取する際は食前がおすすめです。
ただし、摂りすぎるとお腹がゆるくなる可能性もあるため、摂取量には気を付けておきましょう。