人間ドックの検査項目
人間ドックの検査項目
身体測定、血圧、心電図、眼、聴力、呼吸機能検査、胸部X線(レントゲン)、上部消化管X線(バリウム検査)、腹部超音波検査、血液検査、尿検査、便潜血検査、内科診察を含むことが一般的です。
オプション検査として、乳腺触診(マンモグラフィー)、前立腺、C型肝炎、婦人科検診などもあります。
検査項目から分かる病気
BMIの基準値は18.5~24.9です。異常値は18.4以下もしくは、25.0以上が該当します。
- 心電図検査:不整脈、狭心症、心筋梗塞など
- 胸部X線(レントゲン)検査:肺炎、肺がん、結核、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
- 上部消化管X線(バリウム検査):胃潰瘍、慢性胃炎、十二指腸潰瘍、胃がん、食道がん、胃ポリープなど
- 腹部超音波検査:肝臓がん、慢性肝炎、脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープ、膵臓がんなど
- 血液検査:高脂血症、糖尿病、高尿酸血症、アルコール性肝障害、慢性肝炎、脂肪肝、慢性腎障害、感染症、貧血など
- 尿検査:慢性腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病、尿路結石、膀胱がん、前立腺がんなど
- 便潜血検査:大腸がん、下部消化管出血、大腸ポリープなど
人間ドックで見つかりやすい代表的な病気
動脈瘤
動脈瘤とは、動脈硬化や血栓によってダメージを受けた動脈がコブ状に膨らんでしまう病気です。
高齢、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症が見られる方に発症しやすく、男性の発症者が目立ちます。
腹部超音波検査で腹部の動脈瘤、脳ドックで脳動脈がんを見つけられます。
不整脈
不整脈とは、心臓が異常な動きを起こしている状態の総称。
心電図検査の結果によって病気を判別します。
健康な方でも不整脈を起こしているケースは少なくないため、心電図検査によるチェックは重要です。
肝炎
肝炎とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が破壊されていく病気です。
ウイルスやアルコール、自己免疫によって発症しますが、日本ではウイルス性肝炎が肝臓病全体の約80%を占めています。
血液検査の項目で検知することができます。
痛風
痛風とは、血液に含まれる尿酸が原因で発症する病気です。
尿酸が増えて結晶化されることで、激痛を伴う関節痛を引き起こします。
尿酸はレバーや白子、アルコールなどに多く含まれているプリン体という物質から生成される老廃物です。
30~60代に多く、圧倒的に男性に多い疾患です(90%以上が男性)。
女性の場合は閉経後、女性ホルモンが減少することによって、尿酸値が上昇したり、痛風発作が出ることがあります。
尿酸値も血液検査の項目で分かるため、普段からレバーや白子などの高プリン体食品、アルコールを摂取することが多い方は、尿酸値にも目を向けておくことが大切です。
がん
人間ドックでは、検査の組み合わせによって多数のがんを発見することが可能です。
- 胃バリウム検査+上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):胃がん
- 胸部X線検査+胸部CT検査:肺がん
- 便潜血検査+大腸内視鏡検査:大腸がん
- 腹部超音波検査:肝臓がん、胆のうがん、膵臓がん
- 便潜血検査+大腸内視鏡検査:大腸がん
- PSA検査:前立腺がん
- マンモグラフィー検査+乳腺検査:乳がん
- 子宮頸部細胞診:子宮頸がん
健康診断では見つけづらいものもあるため、オプション検査でがんを見逃さないようにしましょう。
全身のがんをチェックできるPET検査というオプションもあるので、活用してみてください。
人間ドックの判定基準
「異常なし」と診断されても、安心してはいけません。
今回の検査では異常を認めなかっただけで、翌年も同じように「異常なし」になるとは限らないからです。
偏った食生活や運動不足など、不規則な生活習慣を送っていると、何かしら異常をきたしてしまうものです。
さらに、年齢を重ねるごとに疾病のリスクは上がるため、より注意が必要になります。
人間ドックはあくまでも今の健康状態をチェックし、病気の早期発見とリスクを把握するものであるため、日ごろからバランスの取れた食事や適度な運動、規則的な睡眠を心がけましょう。